ヘルメット選びの話
- 2016/10/12
- 16:30
仕事柄よく聞かれる
どんなヘルメット買えばいいの?
って話です
写真少なめウンチク多めでゴザイマス
ピンキリって言葉そのもの的な話でして
1000円台の半キャップから
70000円超えのフラッグシップまで
特に初めてって方は何を買えば良いのやらって話になるかと
バイク選び以上に悩ましい問題なのかも知れません
「大人しく公道を走ってるだけだから大丈夫」
「ヘルメットにお世話になる事なんて無い」
って思う方が多いのかも知れませんが
ヘルメットが役に立つ時なんて殆ど不慮の事故なワケで
思いがけず訪れたその瞬間
頭を守る最後の砦だと言う事を忘れないで下さい
このブログを常日頃からご愛読頂いてる皆様は
オフ車乗りの方が多いと思われるので
良くご存知?だと思いますが
意外とお世話になるモンですw
(お前だけだって話はアレです)
実際
事故処理でアレコレ保険請求するワケですが
「ヘルメットの代金を請求」
する事が意外と多いです
意外と多いどころか
走行中の事故だと殆どの場合
大なり小なりヘルメットに傷ができて駄目になります
半キャップだと脱げたって話も良く聞きます
クドクド書いてもアレなんで先に進みますが
車のシートに座っていても
シートベルト無しで自分の体を支えられるのは
時速8キロとかって話です
バイクに跨った不安定な体勢で更にスピードを出すワケです
事故ったり転倒した事ある方ならご存じだと思いますが
回避行動後に接触転倒した場合
ほとんど無力だと思ってください
できて目を瞑るとか反射的に手を付こうとする程度です
で
やっと本題のヘルメット選び
元も子もない話SHOEI党なんでショウエイ推しですw
お話にならないんでこれ以上は自重しますが
個人的にはメジャーなブランドだったら
品質的には大差無いかなと思っております
製造してるメーカーや規格云々より
実際被って頭にフィットするか
が
一番重要ではなかろうかと
そもそも
「ヘルメットのフィット感って言われても・・・」
って方は
用品屋行って一通り被ってみる事を強くお勧めします
被って頭を前後左右に動かせば
フィット感の何たるかはご理解頂けるかと
物によって全然違います
同じモデルでもサイズによって印象が変わるので
ヘルメットは被り比べるに限ります
SHOEIのホームページには
SHOEIのヘルメットには、「Passive Safety」と「Active Safety」の2つの安全性能が貫かれています。ひとつは、万が一のアクシデントに備えた安全性を追求した「Passive Safety」、もうひとつは、アクシデントを起こさないためにヘルメットの快適性を追求した「Active Safety」です。アクシデントから実際に守るため、そして未然に防ぐため、これら2つの側面からの「安全性」を実現してまいります。
って謳ってる位なんで
なるほど
ヘルメットその物の性能も大切なんでしょうけど
フィッティングや快適性も重要なファクターなワケです
で
あまり話題に上りませんが
SHOEIだと
こんな感じで
標準の内装以外にも厚さ違いの内装もあったりと
至れり尽くせりで
ジャストフィットを具現化できること請け合い
ちなみにアライでもOGKでも同じような物が用意されています
自分の場合はMサイズ新品だとチークパッドがややきつくて
暫く頬コケになりますがw
数回被って洗うとジャストフィットになります
あと
そもそもサイズ別に帽体のサイズが4種類あったりと
日本メーカーらしいアレコレにお高いのも納得
SHOEI
PREMIUM HELMETS JAPAN
は伊達じゃないワケです
で
輸入物はどうなの?って話ですが
典型的な日本人体型というか横広な頭の形の自分には
輸入物はどれも後頭部のフィット感がイマイチです
(特に北米欧州メーカー)
あと内装洗うと一発でヘロヘロになったり
取り外せるって書いてあるけど
両面テープで止めてあったりと
まあメーカーによっては
「・・・」
な事も
あとベースになる帽体のサイズが一種類で
内装のパッドの厚さでサイズ調整してるだけって
物のも多いです
ただ必要にして十分で安価な物が多いのも事実
オフだとやたら転倒するんで
(お前だけだって話はアレです)
転んでぶつけてジャンジャン買い換えるんだったらアリかなと
で
ここまで書かせておいて
SHOEI以外が良いとか
輸入物のお勧めは?
とか空気嫁ない方の為にw
(済みませんホントにSHOEI以外知らないに等しいんです)
ヘルメット選びの基準と言うか指標になるであろう?
規格のお話でゴザイマス
気にしてねーよって?
気にしてくださいw
そもそもヘルメット被らなきゃいけないのは
道路交通法で定められているワケですが
普段あまり目にしないと思うんで
その道路交通法を引っ張ってきました
道路交通法 第七十一条の四
1. 大型自動二輪車又は普通自動二輪車の運転者は、
乗車用ヘルメットをかぶらないで大型自動二輪車
若しくは普通自動二輪車を運転し、
又は乗車用ヘルメットをかぶらない者を乗車させて
大型自動二輪車若しくは普通自動二輪車を運転してはならない。
2. 原動機付自転車の運転者は、
乗車用ヘルメットをかぶらないで
原動機付自転車を運転してはならない。
(3〜5.省略)
6. 第1項及び第2項の乗車用ヘルメットの基準は、
内閣府令で定める。
「乗車用ヘルメット」「かぶらない」「ならない」
「乗車用ヘルメット」「かぶらない」「ならない」
煩いですねwww
で
最後の6.のトコ
その「乗車用ヘルメット」の基準が定められている
内閣府令です
第九条の五 法第七十一条の四第一項
及び第二項 の乗車用ヘルメットの基準は、
次の各号に定めるとおりとする。
一 左右、上下の視野が十分とれること。
二 風圧によりひさしが垂れて
視野を妨げることのない構造であること。
三 著しく聴力を損ねない構造であること。
四 衝撃吸収性があり、かつ、帽体が耐貫通性を有すること。
五 衝撃により容易に脱げないように
固定できるあごひもを有すること。
六 重量が二キログラム以下であること。
七 人体を傷つけるおそれがある構造でないこと。
以上なので
何の規格も通ってなくても
上記内閣府令を満たしている
「乗車用ヘルメット」
とやらであれば問題無いと理解できます
SGとかJISとかって指定は無く
かなり曖昧なんですね
ただ
現実的に乗車用と謳われるヘルメットを買おうとすると
最低限PSCマーク(後記します)は付いてます
自作のメットは?とか偏屈な突っ込みは
嫌いじゃないですが掘り下げるとアレなんでアレしますw
じゃあバイク以外のヘルメットはどうなの?
って事で思い浮かぶのが
まず車用ですかね
バイクと車だと視野が変わるので
車用は細く横長なアイポートが多いので
内閣府令
「一 左右、上下の視野が十分とれること。」
に引っかかりそうですね
PSCさえ通ってればOKなんでしょうけど
(使用可能なモノも有ります)
難燃素材使ってたりそもそも需要が少ないので
バイク用以上にお高いのに加えて
縦方向の視野が狭いので
わざわざね・・・
更に二輪用では内閣府令の
「七 人体を傷つけるおそれがある構造でないこと。」
があるんで使われていない
金属パーツが外装に使われていたりするモデルも多いんで
現実問題色々微妙です
で次に思い浮かぶのが
サバゲー用とか建築現場で使ってるヘルメットですかね
そもそも乗車用じゃないのでMILスペック通っていたとしても
アウトと考えた方が宜しいかと
販売してる業者も乗車用と謳っていないハズです
装飾用だと
「乗車用では有りません公道で使用しないで下さい」
建築現場用だと
「飛来落下物用」とか「墜落時保護用」
とか記載されているかと
半キャップも
殆ど原付用or装飾用になります
極一部に125cc以上に適合してる物もありますが
半キャップで側頭部打つと
メットの縁が耳の上辺りに当たるかと思いますが
コメカミや側頭部は頭蓋骨でも薄い部分らしいので
色々考えて下さい
映画とかでよく見かけますが
伊達に人生に失意した人間が
拳銃を当てる所なワケじゃない様です
ちなみに現在アライとSHOEIは半キャップ作って無いです
つまりそう言う事なんでしょう
でもってその乗車用ヘルメットの規格をザックリと
(これ以上長くなるとアレなんで詳しくはリンク先でお願いしますw)
まずPSCマーク
SGとほぼセットになってるPSC
PSCは無いと日本国内で陳列販売できません
「マークのない製品が市中に出回った時は、
国は製造事業者等に回収等の措置を命ずることができます」
なんて脅し文句までありますw
結局内閣府令で細かい基準の指定は無いですが
こうやって販売側で規制をかけているので
無印はアウトと言うか存在できない仕掛けなんですね
PSC付いてないと「乗車用」と謳えないので
装飾用とか装飾品なんて言葉ができたのかと
SGマーク
125cc以下用と125cc以上の自動二輪車用に分かれてて
現実的な話このマークが付いてないと公道で使用できません
当然日本の規格なんで輸入物だとSGマークの無い物も有ります
って言うか無い方が多いですかね
メジャーなインポーターの取り扱う
正規品は付いてるものが多いですが
ネットで安く売られている並行輸入品は
正規品と同じ物でも付いてなかったりするんで
公道走るなら要チェックです
コースしか走らないなら並行輸入物もアリかと
SGは一般財団法人製品安全協会
PSCは経済産業省の所管
纏めろよと思うのは自分だけでしょうかw
で要するにこの二つが
日本で乗車用ヘルメットを販売使用するに当たって
ほぼ必須規格です
以下任意の規格
まずJIS
毎度お馴染み日本工業規格です
やはり125cc以下用(一種)と
125cc以上(二種)の設定が有ります
当然と言うか何と言うかSGやPSCより厳しい規格です
続いて
MFJ
MFJの公認競技に出るなら必須
JIS+αの基準
で
SNELL
アライさんトコに詳しく書かれてます
ご存じの方も多いと思いますが
非営利的機関「スネル財団」が定める安全規格
5年ごとに見直しがあって現在の規格はM-2015
ザックリと言うと帽体の強度重視の規格
DOT
アメリカとカナダの規格
Department of Transportationの頭文字なので
日本の運輸省みたいなモンですかね
スネルと違ってクラッシャブルに衝撃を吸収する方向の規格
ECE
EUの規格
Economic Commission for Europeの頭文字
欧州経済委員会なので
メットに限らず
ありとあらゆる物を網羅してますね
DOTと同じくクラッシャブルな規格
あと最近目にするようになった
SHARP
目の付け所が・・・の会社じゃないです
「SHARP規格」とかネットで見かけますが
SHARP THE HELMET SAFETY SCHEME
って表記なんで
規格じゃなくて検査機関ですかね
ドメインが.gov.ukなんで
イギリスの行政機関
日本で言うトコのniteがヘルメットだけってやってる感じ
32箇所に衝撃を加えて云々
とにかくハードな検査内容ですね
色々なメーカーの試験結果が検索できるんで
興味があれば見てみて下さい
オフロードモデルが無いのが残念無念
ここだとアライは評価低めですね・・・
マイナーなマルシンのヘルメットが5星連発w
アレコレ詳細を見てみると
世の中的な流れは
スネルの帽体強度重視からDOTやECEみたいに
クラッシャブルに帽体潰して衝撃を吸収する方向なのかなと
最近はスネルもその流れみたいです
車の安全基準もそんな感じで変わっていきましたね
あとDOTやECEが厳しくて
日本のSGやPSCやJISが緩いかと言うとそうでもなくて
正に前出SHOEIのVFX-Wも
すったもんだがあって北米やEUに遅れて
日本で発売された経緯があったのを
記憶されてる方もいらっしゃるかと思います
詳しくはリンク先の
当時のダーヌポって言うかdirtnp記事を
SHOEI VFX-Wが国内で買えるようになるかも!?
ウチのバナーが眩しすぎるwww
それはさておき
引っかかってたのはPSCとJISの球面(75R)規定
(アライが広告でよく謳ってるアレです)
DOTやECEはクリアしてたワケです
結局PSCが改正されて晴れて国内販売される事に
(詳しくはダーヌポの記事読んでみてください)
モチのロンで発売決定直後に買いました
ついでに同じく球面(75R)規定で引っかかっていた
XR-1100も持ってます
そんなXRあったっけ?みたいなネーミングですがw
バイクじゃなくてショウエイのフルフェイスヘルメットです
SHARPでは5星!
やはり後頭部と縁のエッジが効いたデザイン
SHOEIの
「Passive Safety」も大事だけど
「Active Safety」も大事
を具現化した高速でのスタビリティーはハンパないですw
VFX-Wも縁のエッジが効いてますが
VFXのエッジは空力対策じゃなくて
ネックブレースの当たりを良くする為だったと記憶しています
XR-1100はゴムの縁が出っ張ってるだけですが
VFX-Wは帽体自体が出っ張ってるのはその為かと
実際前モデルのVFX-DTより格段に安定します
そんなこんなで
同じ日本って言うか世界のメジャーブランド
アライとショウエイでも同じ
「安全」
に対するアプローチは随分と違うワケです
更に世界中の国や地域が
それぞれの使用特色にあった規格を作ってるワケなんで
(同じモデルでも現地の規格や気候風土に合わせて
保証期間が違ったり重量も微妙に変わってたりします)
一概にこのメーカーや規格が一番安全って話にはならないかと
日本で公道使用ならやはり日本の道路事情や諸々を加味した
SGとPSCあとJIS辺りが付いてれば万全じゃなかろうかと
あとはデザインとフィッティングで選べば良いのかなと
公道走らないから安価な輸入物でって話でも
DOTかSNELLかECE辺りのどれかは欲しいですね
全くの無印はちょっとね・・・
聞いた事無い会社の生命保険入りませんよね?
ちなみにJNCCでは
ヘルメットはジェット型かフルフェイス型のもので、
スネル2000規格以上もしくは
MFJ及びFIM公認ヘルメットを着用しなければならない。
とあります
チェックはして無い様ですが意外とハードル高めですね
って事で何の落ちもなくてお話にならないですがw
メットがお粗末なのはもっとお話にならないです
命を守る最後の砦ですからね
各種プロテクターやブーツなんかも
バイク選び以上に気を遣って欲しいです
フィット感が良いだけでライディングに集中できて
疲労感も全然変わります
お座なりなヘルメット選びをしていたら是非御一考を!