グリスの話
- 2015/04/18
- 23:01
突然ではありますが
たまにはバイク屋らしいバイク本体以外ネタをって事で
今回はよく聞かれるグリスの話でございます
(例によって写真多め内容薄めですご注意下さいw)
巷には多種多様のグリスが売られている訳ですが
一体何を使えば良いのか迷う事も多いかと思われます
個人的には元も子も無い話ですが
名の知れたメジャーな物だったらどれもあまり変わらないかと
エンジンオイルなんかも然り
好きなもん使って間違いないと思い込んどけば
プラシーボも手伝って精神衛生上も宜しいのではないかと
全然やる気を感じられない前振りで申し訳ございませんw
気を取り直して進めます
何をするかと申しますと
ワコーズさんの営業にご協力頂きまして
写真見難いですがワコーズのフリクションテスター
なる物を使っての実験君です
営業でホームセンターの安っいグリスと
自社のフラッグシップの性能の差を
顧客の目の前でドヤ顔で晒す為に使用してるらしいですw
これたまに深夜の通販番組で
エンジンオイルに添加剤混ぜると金属がカジリマセンってやってる
キーキー煩いアレです
このグルグル回るトコにグリス塗って金属のチップを押し当てて
一定の負荷がかかると止まる仕組み
その時に押し当てたトルクを測る訳です
ただ押し当てるチップは使い捨てですが
グルグル回るローラー部分は営業がヤスリで削って再利用なので
毎回ツルツルの新品ではなく少々荒れた状態
かつ毎回同じコンディションでは無い事を念頭に置いて見て下さい
で
このブログ的にもオフローダーが
日常的に使いそうなマルチ系グリスをチョイスしてみました
左からマキシマとベルレイのウォータープルーフグリス
ゾイルグリス オメガ57 シルコリンPRO-RG2 ニューテックNC-100
(モチュールのテックグリス忘れてたのは内緒ですw)
この辺りが1つあればリンク周りや普段使い一式には事足りるかと
要するにどれもリチウム系とウレア系です
(オメガはアルミニウムコンプレックス)
モリブデン系は比較対象にするのはどうかと思うので没
個々の成分等は書き出すととんでもない量の情報になるので
端折ります適当にググって下さい
ちなみにうちで使ってるのは
(全部使ってますが)
メインはベル様とニューテックです
場所や状況によりゾイルとオメガを使ったりしてますが
シルコリンは今回実験の為に買ってみました
マキシマはベル様の互換品キャラだと勝手に思っています
個人的には前にも書きましたがグリスはニューテック推しです
2スト混合油はモチュール
4ストのエンジンオイルはワコーズ派です
写真撮ってたらワコーズの営業が恨めしそうな顔で見るので
自社製品追加w
重機屋御用達ワコーズHMG-U(ハイマルチグリース)
事前予想では個人的にはニューテックかオメガワコーズが
一番良いのかな~などと予想しておりました
用途的にゾイルが不利なのかなと
シルコリンは全く予想付かず
って事で
ゾイルから
約27Nm
大体そもそも金属表面の改良
消音グリスなので他のグリスと比べる事自体態若干ナンセンスな
気がしなくもないです
チップの削れ具合はこんな感じ
左は何も塗らなかった場合で右がゾイルグリスで削れた方です
ちなみに写真無いですが
何も塗らないと10~12Nmで止まっちゃいます
ホームセンターグリスで18~20Nmだそうです
次
ベルレイウォータープルーフグリス
約30Nm
チップの削れが少なくなりました
次
マキシマウォータープルーフグリス
約30Nm
音的には予想通りベルレイとほぼ同じ感じでしたが
ベル様より若干削れました
次
シルコリン
約31Nm
ワコーズの営業がグリス塗るときに
このグリスもっちりしてて塗りやすいと絶賛してました
音が出るのもマキシマやベルレイより遅かったです
次
オメガ57
約31Nm
シルコリンと同じ雰囲気ですが
音が出るのはシルコリンより早かったです
次
ニューテックNC-100
約33Nm
チップの削れも小さく
音が出て止まるまでの時間も一番かかりました
ちょう度(ザックリ言うと粘度)的に
一番柔らかいんで不利かと思いましたが
流石
そして
ワコーズHMG-U
約31Nm
チップの削れはニューテックと同じ感じ
ただワコーズの営業が塗ったグリスの量が多過ぎやしないかと
反則だろwww
ってなモンで結果
やっぱりどれも変わらねーじゃん
って感じですが
実際チップが当ってから音が出てローラーが止まるまでの時間は
ニューテックがダントツ良かったです
次点でシルコリン
ワコーズも悪くなかったですが反則負けですかねw
で
大した落ちもなく結局どれ買えばいいんだよって話なんで
番外編
オフ車乗りなら気になる水に晒されるとどうなのよ
って話です
こんな感じでトレーに塗って
左上から右にゾイル・オメガ・ベル様
左下から右にマキシマ・シルコリン・ニューテック・ワコーズ
です
水を加えます
当然と言えば当然ですが
全く油膜もできず何日か放置しても表面が微妙に白っぽく
乳化するだけで劇的な変化はありません
この状態でシャワーみたいに水かけても全く落ちませんでした
結果またしてもどれも変わらないって落ちで
このまま終りじゃツマラナイので
混合したガソリンを加えてみましたw
キャブのドレンから余ったガソリン抜く時に
たまにリンクにこぼしちゃったりするんで気になっておりました
加えるだけだと大した変化が無かったので
揺すってみたところ
ニューテックが最初に溶け始めまして
続いてどれも同じ様な感じで溶け出しましたが
マキシマは溶け難いみたいですね
そもそもトレーに塗った量が同じじゃないんでアレですが
最後にパーツクリーナーに浸けてみました
ニューテックは跡形も無いですが
他は劇的な差異はありませんね
あとはアレですよアレ
コストです
グラム辺りの単価は
安い方から
マキシマ 3.08円 454g 1400円
ワコーズ 5円 400g 2000円
ベル様 5.07円 454g 2300円
シルコリン 5.6円 500g 2800円
オメガ 13円 100g 1300円
ニューテック 21円 200g 4200円
ゾイル 22円 100g 2200円
全て税抜き
マキシマとゾイル約7倍の値段差・・・
グリスも格差社会w
って事はですよ奥さん
マキシマがコストパフォーマンス的にはダントツな訳ですよ
性能考えるとワコーズもまずまずですかね
ワコーズは同じグリスでも用途に合わせて
ちょう度を二種類ラインナップしてたりするのも良いです
ただワコーズ使い難いんですよねあのジャバラ
たまに切れちゃったり踏んではみ出しちゃって
発狂した事があるのは自分だけじゃないはず
ワコーズはそもそもターゲットが重機関係も多いんで
ペール缶で売ってたりしますからねw
個人的にはメインで使うのは基本グリスガンに移して使うんで
何でもあまり関係無いですが
個人ユースにはニューテックやオメガみたいな
チューブ式の方が使いやすいかなと
あと容量ですかね
100gは少ないし400g以上は
個人ユースには多過ぎな気がしますが
オフ車乗りで年に一度位は自分で
リヤのリンクとフロントのステム周りの
グリスアップをするって言うなら400g以上でもいいかなと
車両にもよりますが一般的なリンクがある車両だと
大体前後で150g位使うかと思うので
そこら辺をショップに丸投げなら400g以上は多過ぎ
使い切る前に劣化しかねないので良く考えて買って下さいませ
総評的にはやはり個人的に好きなニューテックですかね
容量も丁度良いですし柔らかくてベアリングへの馴染みも良好で
作業も捗りますし白いんで汚れも分かりやすいです
コスト重視ならマキシマ
そんなに量使わないって人はオメガかゾイル
大量に使うならシルコリンも捨てがたいですね
あとシルコリンには落し蓋が付いてます
容量が多いので使い切るまで時間がかかる事を想定してるのか
抜本的に空気に触れて酸化するのを嫌ってなのか
些細な事ですが
ユーザーへの心遣いや製品に対する思いが伝わってきますね
近日YZ125のリンクをばらす予定なので
シルコリンを使ってみます
(約1シーズン後)
しかし量多いよこれレディーボーデンかよw